直前ポイント問題の解説

Twitterでの直前ポイントの解説です。

Twitterの問題がたまれば、数日ごとに緩く更新予定。

一応、私は元レック講師(行政書士講座、国家公務員2種(裁判所事務官2種・検察事務官2種など)、地方上級講座担当)ですので、学術的な解説でなく予備校チックな解説で。笑

なお、解説についての質問などは基本受けられませんので、ごめんなさい。


本試験直前ポイント
取消訴訟では、一定の条件のもとで第三者の訴訟参加を認めているが、この訴訟参加を法が認めている理由はなぜか。完結に根拠となる理由を述べよ。

(解説)
第三者効(対世効)があるからです。
民事訴訟であれば、判決の効果は原告被告の当事者にしか及びませんが、取消訴訟では判決の効果は当事者の原告被告以外にも及びます。
ゆえに、知らぬ間に判決の効力に拘束されないよう、原告以外の第三者にも当該訴訟に参加する機会を保障しようというものです。


本試験直前ポイント
行政裁量に対する司法審査(統制)には、実体的統制と手続的統制とがある。
それぞれの概念を簡潔に説明した後、いかなる場合に行政裁量に司法審査が及ぶかを述べよ。

(解説)
実体的統制→ 事実誤認、他事項考慮(考慮すべきでないことを考慮している場合)、平等原則・比例原則違反
手続的統制→ 判断過程(ex.専門機関の答申無視など)や手続違反(無通知、理由付記なし、など)

行政の裁量行為に「逸脱・濫用」があった場合に司法審査が及ぶ。
言い換えれば、行政行為に裁量の逸脱・濫用がない場合には、例え国民に過酷な行政行為であっても取消訴訟では棄却となる。
*逸脱→ 行政行為が、与えられた裁量の範囲を超えたこと
*濫用→ 行政行為が、形式的には与えられた裁量の範囲であるが、裁量を与えた法の趣旨に背いてること


本試験直前ポイント
「甲に処分がなされ取消訴訟となった。行政庁は訴訟傾勢が不利なため、別の処分理由を追加した。甲は処分理由付記を定める法の趣旨に反すると主張する。」
差替えは許されるか、簡潔に結論と理由を述べよ。

(解説)
理由が変わると、処分の正当性が疑われるとともに、審理対象も変わるため問題になります。
判例では、理由の差し替え(追完)を認めるものと、認めないものがあります。
この違いは、処分時から理由付記がなかった場合は追完を認めず、不十分ながらも処分時に理由付記があった場合には追完を認めています。
試験対策としては、一定の範囲ではあるものの原則的に理由の差し替え(追完)は認められる、しかし、例外的に処分時に理由付記がなかった場合は認められないと整理するのがよいと思います。


本試験直前ポイント
「警察が一斉検問を行い、必要に応じて職務質問や所持品検査を行った。」
これは行政調査か刑事手続か。
簡潔に理由と結論を述べ、この場合の人権保障について説明せよ

(解説)
フォロワーさんからの模範解答です。
一斉検問や、それに伴う職務質問や所持品検査は、相手方の任意協力で行われるものですから、いまだ捜査に至らない段階です。よって、行政法の視点からは行政調査にあたります。
人権保障については、判例は、行政調査でも令状主義や黙秘権の人権保障を適用する余地があるとしつつも、調査の必要性、強制の程度、態様などを総合判断するとして、広範な例外を認めています。


本試験直前ポイント
「パタンコ店の営業許可申請があったが、風営法は善良な風俗の維持等を目的としているため、行政庁は都市の景観維持の必要上、許可の附款にネオンの色彩指定して許可することにした。」
これは許されるか否か、簡潔に理由を述べて結論せよ

(解説)
附款の限界といわれる論点の内、内容についての限界といわれるものです。
附款をなし得る場合でも、その内容には以下のように一定の限界があります。
①法律で限界が明示されている場合
②法律の目的以外の目的のために附款を付する場合
③平等原則・比例原則に反するような附款

判例は、本問の場合に②の目的外目的のための附款にあたるとして、ネオン色彩指定の附款は許されないとしています。


本試験直前ポイント
「供託官が弁済供託の供託物取戻しの請求を受け、これを手続き不備により却下した」
しかし、供託は債権者のために供託官が供託物を管理するもので、供託官は民法上の寄託契約の当事者でもある。この場合、抗告訴訟を提起できるか。

(解説)
供託物の取戻し請求を却下された場合に、供託物は民事訴訟で引き渡し請求をすべきか、それとも行政事件訴訟で抗告訴訟を提起して争うかという問題です。

この点、判例は、抗告訴訟によるべきとしています。
供託は供託官が債権者のために供託物を管理する民法上の寄託契約の性質を有するとしつつ、①供託により弁済の効果が生ずること、②法秩序の維持・安定という公益目的を有すること、などから、供託官には行政機関としての立場と権限を与えているとして、処分性を認めています。


本試験直前ポイント
「本省から出されていた行政通達の趣旨に反する処分を、その出先機関が甲に対して行った。甲は処分に不満があり、取消訴訟を提起した。」
この処分は取り消されるか。簡潔に理由を述べて結論せよ。

(解説)
フォロワーさんからの模範解答です。
通達は国民に対して直接権利義務を発生させるものではないので、処分性を欠き却下判決となる。

行政機関内部での行為(行政機関相互での同意、上級庁から下級庁への承認・認可、通達など)は、国民を拘束しませんので、処分性がありません。したがって、この場合は取消訴訟も提起できません(なお、市町村などの地方自治体が国や県など、他の自治体に行政不服審査を申し立てたり行政事件訴訟を起こすことはできるので注意。これは行政機関「内部」での行為ではなく、別法人の関係にあるからです。)。

対策ポイント→ 行訴についての問題が出たときの思考は、まず①裁判官が事件を扱ってもよいのか(訴訟要件)、②事件を判断するにあたって法的正当性はどちらにあるか(あなたなりの法的な検討)、③結論、です。
直接国民の権利義務を拘束するものでないから取り消しても問題ないと考えた方、いきなり②に飛びつかず、まず①を検討するよう思考のクセをつけるのがコツですよ~。


本試験直前ポイント
「行政事件訴訟での無効確認訴訟において、取消訴訟の規定が無効確認訴訟に準用されていない主な事項には、出訴期間の他に何があるか」

(解説)
フォロワーさんからの模範解答です。
「被告の変更、第三者効、事情判決、第三者再審の訴え」
*出訴期間、第三者効、事情判決については必須事項ですので、要注意ですよ!
また、出訴期間がないということは、出訴期間を経過しているため取消訴訟を提起できない案件でも、(無効原因があれば)無効確認訴訟は提起できるということでもあります。

(本試験に出ない関連問題)
なぜ、事情判決が無効確認訴訟に準用されていないか考えてみみてください。このような思考をすることで暗記をしていなくても解答が可能となります。
(答え)
事情判決は、違法を宣言するが、原告の請求を棄却する(つまり、被告行政庁の処分を有効と認める)のであるから、行政行為が有効であることが前提となっていることがわかりますよね。よって、無効確認訴訟に準用されていないわけです。


ポイント問題

行政庁がA法律に基づいて甲を処分し、甲は取消訴訟を起こした。しかし、審理中に規制緩和の趣旨でA法律が改正施行。その処分基準であれば、甲は処分されなかった。この処分は取り消されるか。

 

(解答/最判昭和27年1月25日・判例百選収録事件)

取消訴訟において裁判所の判断すべきことは、係争の行政処分が違法に行われたかどうか。

行政庁は、改正後の法律に基づいて処分をしたのではなく、改正「前」の法律に基づいて処分をした。

処分後に法律が改正されたからといって、裁判所が改正「後」の法律に基づいて処分の当否(処分の違法性)を判断することはできない。

これは、改正前の法律に照らして違法な処分であった場合も同様。(改正前に違法であった処分が、改正後の法律に照らしたからといって適法な処分となる理由はない。)。


 

ポイント問題(最判昭和57年7月15日/判例百選収録事件)

交通違反での反則金を納付し刑事訴訟となることを回避した後に、反則金通告取り消しを求めて抗告訴訟を提起できるか。

 

(解答)

(前提)軽微な交通違反をした場合であっても、刑事訴訟により裁かれるのが原則。ただし、行政庁の反則金通告に基づいて反則金を納付すれば刑事訴訟は開始されず終結する(いわゆる青キップによる処理。赤キップは原則どおり刑事訴訟。)。

(論点)そこで、被告人(違反者)にとって法的デメリットの大きい刑事訴訟を回避しつつ、行政処分である反則金通告処分の取消を抗告訴訟で求めることができるかが問題となる。

(判旨)

この場合に抗告訴訟が許されるとすれば、本来刑事手続きにおける審判対象として予定されている事項を行政訴訟手続きで審判することになる。行政事件訴訟法が、このような結果を予想し容認しているものとは考えられない。

反則行為の不成立を主張するのであれば、反則金を納付せず、刑事手続きの中でこれを争うべき。

自由意思により反則金を納付した以上、抗告訴訟で争うことはできない。

 


 

ポイント問題

不利益処分と、いゆわる申請拒否処分とを比較し、行政手続法上の事前救済制度の相違を簡潔に述べよ。

 

(解答)

(前提)不利益処分と申請拒否処分は異なる概念である(法2条1項4号ロ)。

申請の拒否とは、行政庁が「申請により求められた許認可等を拒否する場合」をいい、すでに付与されている許認可や資格等の取り消し・剥奪等である不利益処分とは異なる。

(不利益処分)聴聞や「弁明の機会の付与」が事前救済制度として保障されている。また、努力義務ではあるが処分基準の作成・公表などの保障もある。

なお、処分基準の作成・公表については、択一問題で頻出であるので、努力義務にすぎないことの他、申請の審査基準や標準処理機関の設定との相違を整理しておてください。

(申請拒否処分)申請により求められた許認可等を拒否する場合には、行手法上は不利益処分のような保障はない(ただし、個別法で事前救済制度の保障が定められていることがある。)。

したがって、申請が拒否される場合でも行、手法による聴聞などの救済は行われない。


 

ポイント問題(解答し忘れてましたので追加しました。)

聴聞制度と弁明の機会の付与の相違点

 

(解答)

聴聞→ ①許認可の取り消しや資格の剥奪など「特に重大な不利益を与える不利益処分(特定不利益処分)」をする場合に認められる制度(行手法13条)。②口頭での審理(意見陳述等)、③文書の閲覧権等が保障されている。

弁明→ ①特定不利益処分以外の不利益処分をする場合に認められる制度。②原則として書面審理主義、③文書閲覧権はない。

 


ポイント問題

行政事件訴訟の原告適格にいう法律上の利益に、営業許可を有する者が含まれるか。簡潔に理由とともに結論を述べよ。

 

(解説)

法律上の利益とは、判例通説の立場では「法律上保護された利益」をいいます。

営業許可が与えられると特定の市場等について独占状態が生じますが、これは、行政法規が「公共の安全など『他の目的』を達成するため」に、たまたま生じた「反射的利益」にすぎません。許可業者の独占状態という利益を、行政法規が許可により保護しようとするものではないのです。

したがって、法律上の利益にはあたりません(主婦連ジュース事件/最判昭和53年3月14日)。

ゆえに、単に営業許可を受けているにすぎない者には、原告適格が認められないのが原則です(質屋営業事件/最判昭和34年8月18日)。

ただし、例外として、営業許可であっても、その行政法規の解釈の結果、「許可業者の利益を保護することが法の目的」であると認められる場合は、法律上の利益が認められて、原告適格を有することになります(公衆浴場法事件/最判昭和37年1月19日)。

*ポイント

→ 原則と例外の分かれ道は、許可を受ける際の要件に「距離制限」などのような地域独占制限が法に定められているか否かです。

距離制限があれば、その行政法規は許可業者を保護しようとしている可能性があります。


 

ポイント問題

市町村などの地方公共団体でも行政不服審査の申立人となれるか。

 

(解説)

市町村などの地方公共団体も行政不服審査の申立人になれます。

ニュースなどでも、沖縄県などの地方自治体が行政不服審査を申し立てたりする事件が報道されていますので、覚えておいてくださいね。

なお、権利能力なき社団も申立人となることができます。


 

ポイント問題

行政行為に公定力があるとされる根拠を簡潔に述べよ

 

(解説)

違法な行政行為は、終局的に行政事件訴訟での判決をもって取り消されることとなっている。

これを裏返せば、違法な行政行為であっても、取消判決が確定するまでは合法なものとして扱われていることになる(つまり、公定力の存在)。

ゆえに、行政事件訴訟の存在が公定力の根拠とされています。

*公定力

→ 違法な行政行為でも取り消されるまでは合法として扱われるという効果

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